留学なんかじゃ視野は広がらない。

渡航イメージ

驚かれる方が多いのですが、年々留学する人って減っているんです。短期の旅行程度のものは増えているかもしれませんが、ある程度の期間いく「留学」のことです。海外崇拝と同じくらい、「日本から出ないし」って学生が増えてます。

ちょっと挑戦的なタイトルにしたのは、プライベートレッスンの生徒さんの他にも、留学経験があるっていうとよく聞かれることだったので、ちょっと整理がてら書いてみようと思ったら、こういう結論に至ってしまったからです。笑 「とりあえず留学かな〜」とか、なんとなく考えている人に読んでもらえたら、と思います。

1、「留学すると視野が広がる」って誰が言った?

「留学したいんですけど…」と相談してくる子、もしくは「留学とかさせた方がいいんじゃないか」と聞きにくる親御さんに「どうして留学なんですか?」と聞くと、大体この「視野が広がる」というキーワードが出てきます。 「どうしてそう思うんですか?」と聞くと、「よくそういう風に言いますよね?」という具合。

そもそも「視野が広がる」というのは、留学者の経験談ではなく、留学斡旋者の希望もしくは留学してもらうためのアピールポイントだと私は思います。大学なら既に留学した先輩の体験を聞く会みたいな場で、親御さんは大抵メディアとか留学相談所、英会話教室なんかで聞いてくることが多いようです。
「広い世界を知っておかないと!」「格段に視野が広がりますよ!」「グローバル人材は求められてますから!」という感じ。 「海外に行く=異文化に触れる=視野が広がる」という安易な方程式によるものなんですが、実際のところ、視野を広げるどころか狭めてしまってる学生をよく見ます。視野を広げる方法はごまんとあるのに、なぜかそれのメインストリームが留学になっちゃってるんですね。そのせいで、意味もわからず、視野を狭めることになっちゃってるんです。

2、「異文化理解」のワナ

留学自体は悪いことじゃないです。むしろ興味があるなら、迷わずなんとかして行くべきです。 ただ勘違いしないでほしいのは、「海外に行ったら、魔法のように英語はしゃべれたり、自然と異文化交流する」ことなんかないってことです。どちらもそれなりの準備や努力を要します。

英語は何となく分かると思うんですが、問題は「異文化理解」や「異文化交流」です。これらがなぜ難しいか。行く場所にはもちろんよるんですが、問題は「日本は欧米化」しているのだという事実をきちんと理解しているかどうか、です。

要はそこまで、いちいち何かに驚くことが少ないんですね。私もよく「留学してびっくりしたことって何ですか?」って聞かれて困りました。わざわざ言うほどの「びっくり体験」はあまりないからです。具体的に「学校の制度は?」とか「マンションの部屋とかはどうですか?」と聞かれないと答えにくく、困ってしまうんですね。異文化に触れるにはそれなりに現地の人との交流が必要です。もしくは自身のディープな行動が必要です。家を借りるとか、携帯を買うとか。旅行じゃ絶対しないことをしないと、文化に触れる機会なんてそうそうありません。

3、視野を狭める学生とは?

海外は多少違う部分があるって思って行くと、まあそんなもんか、って感じの違いしかないです。帰って、話の種を探す気で行かないと、違いなんでなかなか見つけられないものです。むしろ「日本と海外の差」を意気揚々と話すタイプの学生がいたら、それは「視野を狭める学生」の典型です。

留学生はもちろん「経験」や「体験」をしにいっているんですから、その「事実」を話しているつもりで、自然に「嘘」をついていまいがちです。大抵の学生は一つの国に対して、一部地域しか訪れませんが、それを「国全体」の話として堂々と話します。例えばアメリカに留学したとして、サンフランシスコに行っていただけのに、「アメリカ人ってこうなんだよ」とアメリカ人全般について話してしまう、という具合です。これは誰もが陥りがちな現象です。また現地人から「私たちはこうなんだよ」というのを鵜呑みにする場合。私たち日本人が全国の食文化すら把握しきってないのに、海外の方が国全体を代弁できると思う方が普通じゃないと思いませんか。

4、どうしても留学で視野を広めたいなら

アメリカやロシアのように広い土地を持ち、様々な住環境がある国、インドや中国のように人口が多い国においては、住む地域によって大きな文化の違いを生むことは想像に難くないはずです。留学はリアルな「体験」を通して、視野の狭い「外国文化の像」を生み出します。そうならないために、事前に自分なりにその国や地域のことを勉強して、留学に行くべきです。

そして、勉強したことを現地の人と議論する。「経験」「体験」「理解」は自分の行った地域でのことと理解する。他の地域に行った人との情報交換を積極的にする…つまり、視野を狭めないためには「完結させないこと」が一番重要なんです。異文化理解に終わりがないことを知ること、これが視野を広める方法です。

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いかがでしょうか?もっともっと実りある留学をしてくれる学生が増えることを祈っています。留学に迷っている方、どういう準備をするべきかわからない方、英語学習で困っている方の無料相談セッションを実施しています。

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